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教室員の勤務病院

先輩からのメッセージ

三菱神戸病院 後期研修医1年目 中村賢和

僕が眼科を選んだ理由、現在の状況
僕は学生の頃より神経・感覚器に興味がありました。学生実習で眼科を回った時には手術の見学や、外来の見学を行い次第に興味も強くなっていきました。初期研修医の時に神戸大学 医学部付属病院の眼科を 4 ヶ月間ローテートさせていただきました。その時には眼底診察 はほとんど覚束ない状態であり、不安の方が強かったことを覚えています。しかし、優しい先生方に色々なことを教えていただくうちに「やはり眼科は楽しい」と感じるようになり、入局することを決心しました。
現在は後期研修医1年目として三菱神戸病院眼科にて働いています。1週間の動きとしては 以下のようになっています、月曜日は午前中に来週分の入院患者さんの指示出しを、午後か らは手術を行います。火曜日は午前中に上西眼科部長の新看の方の予診を、午後からは手術 のICを行います。水曜日は午前中に入院患者さんの回診を、午後からは手術を行っています。木曜日は午前中に火曜日と同じく予診を、午後からはレーザーなどの処置を行います。 金曜日は外来があり、夕方から手術を行います。
手術では丁寧に指導していただき、白内障手術だけでなく、硝子体手術や緑内障手術の一部もさせていただいています。少しずつではありますができる手技も増えてきています。 外来では最初の頃は全く慣れておらず、診察に時間はかかり、更に分からないこともたくさんありました。しかし、先輩の先生方に優しく指導していただき少しずつではあるものの診察技術も上がってきているように感じています。
このようにできることが増えてきて、充実した日々を送ることができています。 半年程度ではありますが、眼科医になり感じたことはスペシャリティーが大変強く、様々な手技があり、患者さんの訴えも様々であり、とてもやりがいがあると思います。 もし、眼科に興味が少しでもあればぜひ神戸大学医学部付属病院眼科学教室に立ち寄ってみてください。

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三菱神戸病院眼科(右から二番目が中村先生)

神戸海星病院 後期研修1年 勝山敦子先生

 私が眼科医を志す契機となったのは、5回生の病院実習でした。細かい作業が好きで、micro surgeryをやりたいと思っていたため眼科には元々興味がありました。実習で特殊な 診察機器を巧みに操り、顕微鏡下で微細な手術を行う先生方を見て、眼科の speciality の高 さに惹かれました。そして何より、細隙灯顕微鏡で実際に眼を観察した時に、その美しさに感動したことを覚えています。女医は将来設計が難しい面がありますが、眼科では仕事と家庭とを両立させている先生がたくさんいらっしゃることも魅力でした。
 大学卒業時には眼科が第一志望となっていました。初期研修で、もちろん眼科は履修するつもりでしたが、他科をローテートできる最後のチャンスでしたので、神戸大学病院のたす きがけコースを選択しました。1 年目は市中病院で内科、外科、救急と全般をローテートし、 慌ただしい日々を過ごしました。2 年目は眼科を中心に大学病院で学び、最終的に眼科へ進むことを決めました。眼科は全身を診る医師のイメージと離れているため敬遠する方もいると思います。私も進路を決定する際に、それまで他科で学んできたことが無駄になってしまうことを懸念していましたが、それは杞憂でした。「眼は全身の現れ」と言われるように、全身の問題が眼に症状として出現します。眼底には動脈硬化や糖尿病による変化が現れ、全身の状態を推し量ることができます。自己免疫疾患、代謝疾患など全身と眼が関連する疾患が、眼科ではじめて診断されることも多いのです。また、患者さん自身が全身に様々な疾患 を抱えており、急変対応が必要になる場合もあります。知っておいて損なことは何もありませんし、学んできたことは必ず役立ちます。また、他科をローテートして新たに発見した眼科の魅力は、診断、薬物治療、手術治療を自ら一貫して行えるということでした。
 そして、眼科医としての人生がスタートしました。日々痛感するのは、眼は小さいですが、生きるため、暮らすために重要な役割を果たしており、非常に複雑で精巧であるということです。眼球自体の構造は緻密であり、また、眼表面から頭蓋内、中枢神経系まで眼科領域は 広がります。子供からお年寄りまで患者さんの年齢層に制限はなく、疾患は幅広く膨大です。
 現在の一週間のスケジュールは、外来日が火・水 AM・金、手術日が月・水 PM・木とな っています。週 3 日の外来日で多様な疾患に遭遇し、診断した疾患を自ら治療することは 非常にやりがいがあります。手術は白内障手術を中心に多数執刀しています。また、当院の 大きな特徴は、眼科疾患、手術の幅がとても広いことです。角膜内皮移植術、眼窩腫瘍手術 など、他院でなかなか見られない手術を数多く施行しています。特に眼窩腫瘍は本来頻度の 少ないものですが、当院には腫瘍専門医がいるため、近畿をはじめ、中四国、九州まで西日 本の様々な地域から患者さんが来られます。リンパ腫、悪性黒色腫など生命に関わる腫瘍も 少なくありません。時に、眼窩の骨を削って腫瘍を切除するようなダイミナックな手術を行 います。もちろん、白内障手術、硝子体手術、緑内障手術なども多数施行しています。
 平日はバタバタと忙しいですが、週末は自分の時間を持てるので、リフレッシュして仕事 への集中力やモチベーションを保てるのも、眼科の長所です。医局は温かく和やかな雰囲気で、指導医にも恵まれ、実際の眼科医生活は学生、研修医の時に想像していたより何倍も充 実しています。今後高齢化が進み、眼科医の需要は高まるばかりです。眼科医は余っている という都市伝説が存在しますが、実際の数は不足しています。こちらを読んでおられる皆さ んは少しでも眼科に興味をお持ちだと思いますので、ぜひ、眼科を進路として選んで頂けれ ば幸いです。

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手術中の勝山先生(左)と指導する福田先生
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手術中の勝山先生

大学院 2 年生 大塚慶子先生

私は父が眼科医ということもあり、学生の頃から眼科には興味がありました。神戸大 学病院で 2 年間の初期研修を行い、その中で産婦人科や麻酔科など他にも惹かれ る科は出てきましたが、眼科手術の繊細さ、眼という組織の美しさ、見えるようになっ た患者さんの喜ぶ姿に感動を覚え、また、神戸大学眼科医局の隔たりのない和気あ いあいとした雰囲気に親しみを感じ、入局を決めました。
初期研修では 6 ヶ月間眼科ローテートしましたが、日に日に分かる所見が増えていくこと、部分執刀で出来る手技が増えていくことが嬉しかったのを覚えています。 後期研修 1 年目は神戸海星病院にて研修を行いました。多岐の分野にわたる外来に手術、また、ほぼ毎日ある緊急手術に翻弄されながら慌ただしく過ぎていった1年でした。その中で私自身も手術の執刀をするようになり、白内障手術約100件の完投をすることができました。こんなに早い段階で数多くの手術を執刀出来るのは他の科では珍しく眼科のウリのひとつだと思います。
その後大学病院での 1 年間の後期研修の時期に中村教授がご就任され、臨床コースという新しい大学院制度が確立されました。臨床コースとは、手術を学びながら臨 床研究を行い、発表や論文作成をしていくという新しい概念のものです。もともと頭よ り手を動かすことが好きだった私ですが、手術を学びながら専門外来に出て知識を深 めていけるなんてすばらしいコースだ!と思い、入学を決めました。
現在大学院2年生となり、手術に外来に発表に論文に、精一杯取り組んでいるところです。私の一週間は、月曜:外病院での外来または手術、火曜:手術、水曜:黄斑外 来、木曜:網膜外来、金曜:角膜外来となっており、週に白内障手術 2-4 件、硝子体手術 1 件程度のペースで執刀しております。網膜剥離などの緊急手術にも指導医見守 りのもと執刀させてもらい、日々精進の毎日です。大学院生活は、海外も含めたたくさんの学会に参加できるチャンスがあります。名産物を食したり、観光したりと楽しいことが盛り沢山の中、発表の機会が増えることで自分の知識を深めると同時に度胸や 自信も身につけていけるのではないかと思います。また、勉強会などでは他大学の 先生方との交流もあり、自分の視野を拡げていける良い環境であると思います。
写真は ARVO という海外学会でフロリダ州オーランドに行った時の写真です。もちろ ん発表も頑張りましたが、ディズニーワールドに行ったり気球に乗ったり、最高に楽しい思い出が出来ました。皆さん、一緒に大学院で楽しい時間を過ごしましょう!

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ポスター発表する大塚先生
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左から大塚先生、金森先生、松本先生、井上先生、上田先生

大学院3年生 上田香織先生

私は2010年に神戸大学を卒業して市中病院で初期研修を始めました。初期研修 中から眼科を積極的に研修できる市中病院はあまりないと思ったので、先輩方 に勧められた病院を研修先に選びました。同じ病院で後期研修医として1年間研修したのち、周囲の勧めもあって大学院に入学しました。はじめの1年は病 棟業務をこなし、翌春から理化学研究所の高橋政代先生のラボでお世話になっています。
ラボには自分のような大学院生をはじめ留学生や研究員など多くのスタッフが 在籍しています。大学院生は10人ほどいますが、全員違ったバックグラウンドを持ち、専門分野も異なっているので、一緒に仕事をしたり話をしたりするのは よい刺激になります。また抄読会やカンファレンスひとつとっても医局とはまた違った雰囲気で、大変勉強になります。臨床だけでは触れられないような世界 を垣間みることができ、大きなラボで勉強させてもらえるのはとても恵まれたことだと思っています。
自分の研究ですが主にヒトiPS細胞を使ったプロジェクトに取り組んでいます。 論文もろくに読まず、実験器具に触れたことすらない状態で飛び込んでしまっ たので、研究を始めてしばらくは呆然としたまま時間だけが過ぎ去っていきま した。それでも1年半経って研究も少しずつ動きだし、去年よりは使い物にな っているだろうと勝手に思っています。また幸いなことにラボと医局が近いた め、週に一日半程度、外来業務も続けさせてもらっています。基礎の勉強を続け ながら臨床にも携わることで、診療する上でもこれまで以上に「疾患の病態から 考えたよりよい治療法がないか」と考えることが多くなったように思います。
学生時代は基礎研究に携わるとは思いもよりませんでしたが、勉強をすすめていくと臨床に対しても理解が深まり、今取り組んでいることがどんな風に臨床に活かせるのだろうかと、自分の興味の幅がどんどん広がっていくのを実感しています。その点でどちらも好きなように学ばせてもらっている今の環境は楽しく、大学院生になってよかったなと思っています。

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実験に勤しむ上田先生(右)と実験補佐員の小島さん

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